タイトル:放課後実習 vol.2
(魔女のものがたりです)
登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... R。魔女見習い → 魔女試験十級
Y ... 川神 梨紗子の師匠で、なんでも屋
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト
その他 ...
本文:
翌日学校で、秘川 新那は、スマートフォンを川神 梨紗子に見せると、「今日は、幽霊がパンケーキを作っているところを動画で撮ってみる」と、言った。
その日の放課後、川神 梨紗子は秘川 新那に連れられて、家庭科室に行った。
秘川 新那は、昨日と同じように、パンケーキを作るために必要な物を一番テーブルの上に置いた。
そして、動画を撮影するためのスマートフォンをそのテーブルに向けてセットした。
その後、二人は、一番テーブルから離れた七番テーブルの後ろに行き、そこにしゃがんで隠れた。
秘川 新那は、もし、幽霊の動画が撮影できたら、それをインターネットで公開するつもりだと言った。
川神 梨紗子は、魔法でパンケーキを作るところをインターネットで公開されたら困ると思ったので、その日は、魔法は使わないことにした。
その日、川神 梨紗子は、ちゃんとお弁当を持ってきて、お昼を食べることができたので、昨日ほどお腹がすいていなかった。
数十分後、二人は、まだテーブルの後ろに隠れていた。
川神 梨紗子は、ちょこっと顔を出し、家庭科室の中を見回した。
川神 梨紗子”ここには幽霊みたいなものはいなさそうな気がする……。
それに、今日は、私は魔法を使わないつもりだし……。
ということは、いくら待っても、変わったことは何も起きないんじゃないかな……?”
川神 梨紗子が、そんなことを考えていると、家庭科室のドアが開き、一人の女生徒が中に入ってきた。
その女生徒は、何かの道具を両手で抱えるようにして持っていた。
彼女は、テーブルの上に置かれている物を見ると言った。
女生徒「あら、すでにパンケーキを作る材料も道具も用意されているの?
他の部員が用意してくれたのかな……」
彼女は、持っていた道具をテーブルの上に置くと、その道具の上部にある蓋を開き、自分で持ってきたパンケーキの粉をその中に入れた。
その後、彼女が、道具のスイッチを入れると、機械の音があたりに響き始めた。
しばらくすると、それは、パンケーキを吐き出した。
秘川 新那は、テーブルの後ろから出ていった。
秘川 新那に続いて、川神 梨紗子も出ていった。
秘川 新那「なんだ。幽霊じゃなかったんだ」
女生徒「あら、他の生徒もいたの?」
秘川 新那「あなた、何してるの?」
女生徒「私は、科学部の部員なんだけど、放課後、ここを使わせてもらって、自動で料理を作る装置を作っていたの」
秘川 新那は、テーブルの上に置かれたその道具をじーっと見た。
秘川 新那「ふーん。そうなんだ」
秘川 新那は、深くうなずくとスマートフォンを持って、川神 梨紗子と一緒に家庭科室から出ていった。
二人が出ていって少しした後、天井から魔物が出てきて、テーブルの上のパンケーキを食べた。
その女生徒は、テーブルの上の道具をぽんと指で押した。
すると、それは、ペシャンとつぶれて一枚のカードになった。
女生徒は、魔物に向けて、そのカードを投げた。
カードに触れた魔物は、泡がはじけるようにして消えていった。
その後、女生徒は、そのカードを持って、そこから出ていった。
廊下を歩きながらその女生徒は、左手で自分の顔に軽く触れた。
すると、その顔は、Yの顔になった。
あとがき:
フィクションです。
読んでいただき、ありがとうございます。
Copyright magnificent18 All Rights Reserved.
↧