タイトル:放課後実習 vol.1
(魔女のものがたりです)
登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... R。魔女見習い → 魔女試験十級
Y ... 川神 梨紗子の師匠で、なんでも屋
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト
その他 ...
本文:
ある日の放課後。
川神 梨紗子「今日は、お腹がすいてるから、寄り道せずに、まっすぐ帰ろう」
その日、川神 梨紗子は、お弁当を忘れて、お昼を食べていなかった。
川神 梨紗子が、教室から出ていこうとしていると、秘川 新那が彼女の近くにきて言った。
秘川 新那「噂で聞いたんだけど。
放課後、家庭科室にいくと、一番テーブルの上にパンケーキが置かれているんだって」
家庭科室のテーブルには、一番から七番まで番号がふられていた。
川神 梨紗子「え、何それ?
誰かが調理実習してるんじゃないの?」
秘川 新那「放課後に? そうかな~」
川神 梨紗子「あれ? そう言えば、こないだは、一人で家庭科室にいると、何かが出てきて、持っている物をとられちゃうって言ってなかった?」
秘川 新那「何? それは知らないけど?」
川神 梨紗子「あ、そっか。何でもない」
川神 梨紗子は、あの問題が解決されたので黒い影に関するあのサイトへの投稿は、初めから無かったことになったのを思い出した。
(注意:「学校0不思議サイト 」の中で出てきた話し)
秘川 新那「これからちょっと、家庭科室に行ってみない?」
川神 梨紗子は、お腹がすいていたので、そこに行ってみることにした。
家庭科室は、鍵が開いていた。
二人は、家庭科室に入ると、一番テーブルから遠く離れた場所にある七番テーブルの後ろに隠れて、一番テーブルで何かが起きるのを待った。
秘川 新那は、不思議なことが起こるのを待っていたが、川神 梨紗子は、パンケーキが食べられるんじゃないかと思って待っていた。
しかし、いくら待っていても、何も起こらなかった。
秘川 新那「今日は、もう帰ろうか?」
秘川 新那が、川神 梨紗子に言った。
川神 梨紗子「ここまで待ったんだから、もう少し待っていようよ」
川神 梨紗子のお腹が鳴った。
川神 梨紗子「お腹すいた……」
秘川 新那「ああ……、そうか。
いくら幽霊だって、何も無ければ作れないのは当然かもね……」
そう言って、秘川 新那は、パンケーキを作るのに必要な道具をテーブルの上に並べた。
それから、カバンの中からパンケーキの粉を出すと、それもテーブルの上に置いた。
川神 梨紗子「パンケーキの粉まで持ってきてたの?」
秘川 新那「うん。いちおうね」
それからさらに、数十分後。
秘川 新那のスマートフォンに、彼女の家族から電話がかかってきた。
秘川 新那は、スマートフォンを持って廊下に出ていった。
川神 梨紗子「パンケーキを作る幽霊は、なかなか出てこないな……。
もしかして、幽霊が出るのを待ってるより、自分で作った方が早いんじゃない?」
川神 梨紗子は、魔法で、フライパンや調理器具を動かし、パンケーキを作り始めた。
パンケーキが完成して、川神 梨紗子が、魔法でそれをお皿の上にのせている時、秘川 新那が戻ってきた。
秘川 新那は、誰もいないのに、フライパンやお皿が空中に浮いているのを見て驚いて、目を丸くしていた。
川神 梨紗子「あっ……」
秘川 新那は、しばらくそのパンケーキを見ていた後、家庭科室から出ていった。
川神 梨紗子も、秘川 新那の後からそこを出ていった。
つづく。
あとがき:
フィクションです。
読んでいただき、ありがとうございます。
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