隼人おじさんがのんびり寄り道してたから随分時間が掛かったな…、おじさん絶対引っ越しを手伝う気ないわよね、私を送ってくれるのが唯一の役割みたいな…。
でも町まで来たから家はもうすぐ、でも、これから荷物の整理なのよね…、始める前から何か憂鬱…、引っ越しって大変だな、隼人おじさんは手伝ってくれる訳ないし…。
あれっ、何か賑やかっていうか家の周りに大勢の人が集まってる。
父さんだ。
「父さん。」
「おお美里、もう着いたのか早かったな。」
「この人達は?」
「父さんの仲間が手伝いに来てくれたんだ、すぐ済むからな。」
「うん。」
って、そりゃこの人数で運んだらすぐよね、人が余ってるんじゃない?
ほらほら、あのお姉さんなんか、先に着いてた詩織と遊んでるし。
そうか、隼人おじさんは始めから手伝いの人数に入ってなかったのね。
荷物の積み込みも手伝いの人多かったけど…。
えっ、このお姉さんは…。
「美里さんこんにちは。」
「は、はいこんにちは。」
「私は加賀美由紀、よろしくね。」
「はい。」
「どう、ここに引っ越す事になって。」
「えっと…、まだよく分からないです。」
「そりゃあそうか、実際に住んで暮らしてみないと。」
「あ、あの~。」
「なあに?」
「うちの引っ越しの手伝いの人なんですか?」
「そうよ、私はタンスとかの搬入が終わったら、美里さんのお手伝いするからね、早いとこ済ませて遊ぼうね。」
「は、はい、でもどうして手伝ってくれるの?」
「私達は、これからここで色々な事に取り組むのよ、私は大学の研究なんだけどね、それを横山さんや飯山さんに手伝って頂いたり、逆に私達が手伝わさせて頂いたりと考えているのよ。」
「へ~、そうなの…。」
「トラックが空になったみたい、一度部屋へ行ってみようか。」
「はい。」
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