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転居-07

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まさか片づけを手伝って貰えるとは思ってなかった。 これは早く済みそう、ふふ、詩織も手伝って貰って何か楽しそうにしてるな。 「この服はこの引き出しか、美里さん、しっかり整理して梱包してあるから早く済みそうね。」 「一人でやってたら全然進んでないです、加賀さん有難う。」 「な~に、ちゃんとお返しを期待してますからね。」 「えっ?」 「でも大した事じゃないからね。」 「私…、何をすれば…。」 「まずは、私のお友達になってね。」 「はい。」 「これから、ここへは何度も来るつもりなんだけど、私、ここに友達も知り合いもいないのよ。」 「私も、ここの事まだ何にも分かりません。」 「それでも、ここに住むという事は私とは違った形で、この土地に係わる訳じゃない、しかも町の暮らしも知ってるから、ここの子とも違った見方が出来るでしょ。 私は、都会の暮らしとここの暮らしを、子どもの立場に立って比べてみたいと考えているの。 だから協力して欲しいのだけど。」 「大したお手伝い出来ないかもしれないけど…。」 「良いのよ、出来る範囲で。」 う~ん、こんな事も父さんの仕事に関係? 思ったより父さんの仕事って謎が多いなぁ。 でも加賀さん優しそうだし頼りになりそう…、今度の学校でいじめられたら相談するかな…。 「これで終わりかしら?」 「はい、箱に入れた荷物全部片付きました。」 「じゃあ終了報告ね。」 「えっ? 報告ですか?」 「ええ、まずは美里さんのお母さまに、それから今日のリーダーにね。」 「リーダーがいたのですか?」 「もちろんよ、今日は大勢来てるから皆が勝手に行動してたら大変な事になってしまうわ、さあ行きましょ。」 「そっか、役割分担があったのね。」 「そういう事よ。」

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