タイトル:冬と春
(魔女のものがたりです)
登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... R。魔女見習い → 魔女試験十級
古都乃 彩菜 (コトノ アヤナ) ... X国人で祖父が日本人だったと言っているが、本当は宇宙人。
その他 ...
本文:
冬は、寒風に乗り、ある場所に向かっていた。
ある日曜日の朝、川神 梨紗子が部屋の窓を開けると、外は、雪で真っ白だった。
川神 梨紗子「寒いわけだ……」
川神 梨紗子の家の庭にも、彼女の家から広い通りまでの小道にも、雪がいっぱいに積もっていた。
川神 梨紗子は、広い通りまでの小道に積もった雪を家の庭のすみに集めようと考えた。
冬は、その時、川神 梨紗子の家の庭を飛んでいた。
川神 梨紗子が、魔法で雪を集めて、それを庭のすみに落としたその時、冬がその雪の中につっこんだ。
冬は、そのまま雪に埋まってしまった。
川神 梨紗子は、それに気付かなかった。
彼女は、家の前の小道に、雪が無くなったので満足し、部屋の窓を閉めた。
川神 梨紗子「これでよしっと」
川神 梨紗子は、その後、一階に降りて朝食をすませた。
母親は、親戚に会う用事があるからと言って、家から出ていった。
母親「あら。うちの前の道だけ、雪が無い」
川神 梨紗子の母親は、広い通りに続く家の前の小道に雪が無いことを不思議に思った。
川神 梨紗子は、二階の自分の部屋に戻ると、魔法の練習のため、学校のノートを浮かせたり、下げたりした。
くしょん。
川神 梨紗子が、くしゃみをした。
すると、ノートがバサッと落ちて、そのノートの数ページがビリッと破けた。
川神 梨紗子「あっ」
どうやら、川神 梨紗子はくしゃみをすると、魔法のコントロールができなくなるようだ。
川神 梨紗子は、破けたノートを見た。
幸いなことに、破けたのは、ノートの何も書かれていないページだった。
川神 梨紗子が、またくしゃみをした。
川神 梨紗子は、急に寒気がしてきて、ブルッと震えた。
川神 梨紗子「風邪をひいたかな」
彼女は、一階から体温計を持ってきて、体温を計った。少し熱があった。
川神 梨紗子は、ベッドに入った。
川神 梨紗子「少し熱っぽい……。頭を冷やしたいな。
そう言えば、さっきの雪……」
川神 梨紗子は、先ほど庭のすみに置いた雪の一部を魔法で集めて小さくした。
上に乗っかっていた雪が無くなったので、その雪に埋まっていた冬は、外に出ることができた。
冬は、またある場所に向かって、飛び始めた。
川神 梨紗子は、小さくした雪を魔法で部屋の中に移動させ、自分の頭の上で浮かせた。
たくさんの雪を集めて小さく固めたので、それは、とても冷たくて、ひんやり気持ち良かった。
川神 梨紗子は、そのうち、うとうと眠ってしまった。
ボスッ。
彼女の頭の上で浮いていた雪が、彼女の顔の上に落ちてきた。
川神 梨紗子は、はっとして目を覚ますと、また雪を浮かせた。
川神 梨紗子「はー。びっくりした……」
川神 梨紗子は、そのまま頭の上で雪を浮かせていたが、少しすると、また眠たくなってきた。
眠くなると、川神 梨紗子の頭の上で浮いていた雪の塊がだんだん下に下りてきて、彼女の顔に近付いてきた。
冬は、春が眠っている場所に着くと、春を起こした。
春は、大きなあくびをしてから目を覚ました。
春が起きたのを見ると、冬は眠り始めた。
春が起きると、あたりが暖かくなった。
古都乃 彩菜「あ、暖かくなってきた……。
川神さんのところに遊びに行ってみようか」
古都乃 彩菜は、UFOで、川神 梨紗子の家に行き、彼女の部屋の窓の外にとまった。
雪が、川神 梨紗子の顔にふれる瞬間、彼女は、大きなくしゃみをした。
くしょん!
川神 梨紗子の上に浮いていた雪は、魔法のコントロールを失い、爆発して、元の大量の雪になった。
古都乃 彩菜が、UFOから降りて言った。
古都乃 彩菜「こんにちは!
あの……、何をやってるんですか……?」
川神 梨紗子は、部屋の中で雪に埋まっていた。
川神 梨紗子「あ……、こんにちは……」
あとがき:
フィクションです。
読んでいただき、ありがとうございます。
オチが無くて、つまり、どういう話し? って言われそうですけど……。
え~と、まあ、早く暖かくなればいいな~という、そういうかんじな話しです。
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